先日「東京23区の平均想定売上と損益分岐家賃」という記事を出したところ、好評でしたので、その時に出した損益分岐家賃を23区のワンルーム・1K・1DKの平均家賃と比較してみました。平均家賃のデータは、株式会社ネクストの運営する「HOME'S」のサイトの「ワンルーム・1K・1DK」のデータを利用しました。
前回も申し上げましたが、元々乱暴な平均値を、ワンルーム・1K・1DKに絞った平均家賃と比較しますので、相当乱暴な比較になっており、あくまで一つの目安として使って頂くことをご理解頂ければ幸いです。
さて、今回の対比上、損益分岐家賃が平均家賃を上回ったのは6区でした。
順位 区 損益分岐家賃 平均家賃 想定利益 想定利益/家賃
1位 世田谷区 91,016円 80,000円 11,016円 13.77%
2位 中野区 81,582円 74,800円 6,782円 9.07%
3位 渋谷区 112,968円 104,800円 8,168円 7.79%
4位 中央区 106,721円 104,500円 2,221円 2.13%
5位 豊島区 79,146円 78,600円 546円 0.70%
6位 新宿区 88,397円 88,000円 394円 0.45%
以下は、全てマイナスになっており、平均値で月3万円以上の損失の生まれる区が3区ありました。下位の区では、家賃の安い物件を借りられるか、稼働率を上げられる仕組みを作るか、双方を組み合わせるか、何かをしないと利益を出しにくいと思います。
順位 区 損益分岐家賃 平均家賃 想定利益 想定利益/家賃
21位 墨田区 51,724円 82,100円 -30,376円 -37.00%
22位 荒川区 40,539円 73,200円 -32,661円 -44.62%
23位 北区 33,018円 73,800円 -40,782円 -55.26%
なお、以上は代行会社を使った場合であり、代行会社を使っていなければ、マイナスでない区も北区以外は利益が出ました。
今回も詳細データは、Facebook内のグループ「民泊ビジネス研究会」のみで公開させて頂きます。
Airbnbに掲載されている、昨日1月20日時点の東京23区全物件の稼働率と平均宿泊料をかけ合わせ、各区でAirbnbを運営してみた場合の想定売上を算出し、掃除を含めた代行費を売上の35%、ガス水道光熱費+Wifi費用を12,000円として、家賃がいくら以下なら利益が出るかを調べてみました。※基礎数字は、サイト「AirbDatabank」より
区内でも駅に近いか遠いか、商店街かどうか、物件の間取りやグレードはどうか等により、全く評価が違ってくるものを全て一緒にしての比較ですし、1月は閑散期なので、意味がないという考え方もできますが、一つの目安にはなるかと思います。
その結果、想定売上=損益分岐家賃の高いベストファイブは、次の5区でした。
順位 区 想定月間売上 損益分岐家賃
1位 渋谷区 192,258円 112,968円
2位 港区 189,085円 110,905円
3位 中央区 182,648円 106,721円
4位 千代田区 179,404円 104,613円
5位 世田谷区 158,487円 91,016円
以下、新宿、文京、中野と続き、下位3区は次のとおりでした。
順位 区 想定月間売上 損益分岐家賃
21位 荒川区 80,830円 40,539円
22位 江戸川区 80,264円 40,171円
23位 北区 69,259円 33,018円
この結果を見てみると、平均的な物件で代行会社に依頼している場合、今月利益を出すのは難しいと思われます。代行会社に依頼していなければ、作業は必要になりますが、代行会社に払う分は利益を確保できそうです。
例えば、渋谷区なら売上の35%は、67,290円になります。平均2日ずつの宿泊で6割=18日稼働として、18組分のメール等の対応と9回の掃除で、67,290円がその報酬となります。考えようによっては、悪くないかもしれません。
Airbnb民泊は、山手線沿線でないとダメという説がありますが、荒川区は沿線でもダメ、江戸川区は外れているのでダメ、北区は近くでもダメと、単純に沿線かどうかだけではなく、ネームバリューの問題も大きいようです。それにしても、荒川区・江戸川区は月4万円以下、北区に至っては33,000円以下の家賃でないと、今月代行会社を使っての利益が出ないというのは、厳しいと思われます。
なお、詳細データは、Facebookのグループ「民泊ビジネス研究会」にアップさせて頂きました。ご興味のある方は、Facebookにてグループへの参加申込を頂ければと存じます。