最終報告を踏まえた提案

 前回お伝えしたように、6月22日民泊サービスのあり方に関する検討会の最終報告が公開されました。報告は、下記の4つの内容からなっています。

 

Ⅰ 検討に当たっての基本的な視点と主な論点等

Ⅱ これまでの対応策-現行制度の枠組みの中での対応-

 (簡易宿所要件緩和)

Ⅲ 民泊の制度設計のあり方について

Ⅳ ホテル・旅館に対する規制等の見直し

 

 少子化が進む日本の中で、インバウンドのマーケットは、数少ない成長が見込める分野です。今後の我々の生活を考えるのであれば、3月に政府が立てた2020年訪日観光客数4000万人、2030年同6000万人という目標は、是非とも達成すべきと言えるでしょう。

 そして、日本より人口の少ないイギリスやタイに3000万人以上の観光客が訪れていること、これまで15~20年で倍々に成長する世界の海外旅行市場、世界の観光立国が持つ①気候、②自然、③文化、④食事という条件を日本が兼ね備えていること、世界の国々の観光作業が平均GDPの9%を占めていていることから日本にふさわしい客数を計算しても、これだけの訪日観光客数を達成することは不思議なことではありません。

 空き家が820万戸以上ある現在、観光立国化に伴う宿泊需要を全てホテル・旅館の増設でまかなうのは非効率です。使われていない空き家の有効活用を考えることが日本社会全体の利益にかないます。

 

 それ以外にも、民泊には、草の根の国際交流が進む点、それが新しい観光マーケットの開発につながる点、日本人の語学力や国際的な対応力を向上させる点、老後破産が問題になる中シニアの収入につながる例がある点、地方創生につながる可能性など、多くのメリットが存在します。

 確かに、騒音、ゴミの原因となったり、テロや伝染病のきっかけになる可能性がないとは言いませんが、それについても、ガイドラインを設け、管理していくことで、リスクを最小限に抑えることができます。外国人が近くにいるだけで気持ちが悪いという意見も有りますが、これは日本人がまだ「心の鎖国」をしているからです。民泊は、「心の開国」をできるかどうかの試金石と言えるでしょう。

 

 以上を踏まえ、最終報告を基に下記のように進めることを提案します。

 

1.新法制定と同時に行う旅館業法改正において、1部屋以上のホテル・旅館を認め、定員10人未満の小規模施設については、本人確認+記録保管・緊急時の連絡先設置を条件にフロント不要とすること

2.旅館業法5条は、障害、人種などによる不当な差別を制限するにとどめる規定に改正すること

3.空き家の多いマンション、アパートをホテルに用途変更できるようにするため行った国交省からの通知を検討し、不十分な点(容積率以外の点、検査済証のない場合の手続)を追加した上で、建築基準法、政省令の改正を早急に進めること

4.新法民泊の年間稼働日数は180日以下で確定し、自治体での制限はできないこととすべき

5.180日の数え方は、稼働可能日を申告する形(事前申告制)ではなく、後付けで実働日を計測する形(事後計測制)とすること

 

 参考にして頂ければ幸いです。