毎日新聞が全国の都道府県と政令指定都市について、フロント(玄関帳場)を条例で要求しているか、していないかを調査し、記事にまとめました。調査結果を下記に抜き出し、再構成しました。
東京の山手線沿線で言うと、千代田区、中央区、台東区、豊島区、新宿区、渋谷区と主要な区でフロントを要求しており、緩和予定がないということになります。一方、港区、品川区、目黒区、荒川区では、フロントが要求されていません。
フロントが必要な場合、営業時間中、建物内に管理人の常駐を要求されるのが通常なので、部屋の数が少ない施設は、採算が合いません。したがって、これまで手薄だった区の方が、合法民泊はしやすいと言えます。
とは言え、本人確認と緊急時の連絡先が必要であり、特区民泊のようなインターネットカメラ等を使った本人確認を許すかどうかは各自治体によりますので、あくまで面接による本人確認を要求する場合は、京都の京町屋のように鍵の受渡しステーションのような物が必要になります。フロントを要求する自治体の取り締まりが厳しくなると、今後、品川、目黒、田町、日暮里などでそういうビジネスが生まれるかもしれません。
なお、新宿区については、一部行政書士事務所のHPで間違った情報が掲載されていて、私も騙されていました。条例本文に当たったところ、確かにホテルにおけるフロントの条項が準用されており、簡易宿所にもフロントが要求されています。
政令指定都市については、東京と並んで民泊施設の多い、大阪市、京都市は、フロント既定の改正について検討中です。京都は民泊への取締りが厳しいので、改正が難しいかもしれません。一方、名古屋や福岡は改正予定ですので、改正後民泊施設が増える可能性があると思われます。
■東京23区
1.条例にフロントが必要という規定があり、改正予定なし
千代田区
中央区
新宿区
渋谷区
豊島区
文京区
台東区
世田谷区
2.条例にフロントが必要という規定があり、改正検討中
大田区
3.条例にフロントが必要という規定があり、改正予定あり
杉並区
4.フロントが必要という規定なし
足立区
荒川区
板橋区
江戸川区
葛飾区
北区
江東区
品川区
墨田区
中野区
練馬区
港区
目黒区
<条例にフロントの規定が有る道県>
△改正検討中
新潟県
島根県
○改正予定
北海道
群馬県
神奈川県
岐阜県
愛知県
三重県
奈良県
徳島県
高知県
宮崎県
<条例にフロントの規定が有る政令市>
△改正検討中
札幌市
仙台市
横浜市
京都市
大阪市
北九州市
○改正予定
さいたま市
川崎市
新潟市
静岡市
名古屋市
堺市
福岡市
毎日新聞記事