3月30日厚労省が自治体にした通知

 4月1日9人以下の定員の簡易宿所に関する要件緩和がされました。民泊議論の前提になる、この要件緩和ですが、具体的にはいつ何があったのでしょうか。

 簡単に言いますと、「旅館業法施行令」という政令と厚生労働省から各自治体に向けた「旅館業における衛生等管理要領」の2つが改正されました。政令の改正は3月30日公布、4月1日施行になりました。こちらは強制力がああります。一方「要領」の改正は3月30日。こちらは、強制力がありません。

 今回は、政令等の改正のあった3月30日地味に厚生労働省が、全国各地の自治体にどのような通知を送ったのか、その文章を全文掲載します。レイアウトがちょっと崩れていますが、ご容赦いただければ幸いです。

 

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                            生食発0330第5号

                            平成28年3月30日

 

  都道府県知事

各 政令市市長  殿

  特別区区長

 

                        厚生労働省医薬・生活衛生局

                          生活衛生・食品安全部長

                               (公印省略)

 

      旅館業法施行令の一部を改正する政令の施行等について

 

 本日公布された旅館業法施行令の一部を改正する政令(平成28年政令第98号。以下「改正令」という。)により、旅館業法施行令(昭和32年政令第152号。以下「令」という。)が改正され、平成28年4月1日から施行されることとなったところである。その改正の趣旨、内容等は下記第1のとおりである。

 また、これに関連して、下記第2のとおり旅館業における衛生等管理要領(「公衆浴場における衛生等管理要領等について」(平成12年12月15日付け生衛発第1811号厚生省生活衛生局長通知)の一部を改正するとともに、これらの改正に関し、下記第3により運用上の留意事項等を示したので、これらの内容について十分御了知の上、貴管下営業者に対する周知徹底及び指導等について、遺漏なきよう適切な対応を願いたい。

 

          記

 

第1 旅館業法施行令の一部改正について

 

 1 改正の趣旨

 住宅(戸建住宅、共同住宅等)の全部又は一部を活用して宿泊サービスを提供するいわゆる「民泊サービス」(以下「民泊サービス」という。)については、様々なニーズに応えつつ、宿泊者の安全性の確保、近隣住民とのトラブル防止などが適切に図られるよう、適切なルールづくりが求められている。

 その一方、民泊サービスを反復継続して宿泊料とみなすことができる対価を得て行う場合、旅館業法(昭和23年法律第138号。以下「法」という。)に基づく許可が必要であるにもかかわらず、許可を得ずに実施されるものが広がっており、これに早急に対応することが求められている。

 こうした状況を踏まえ、令第1条第3項に規定する客室の延床面積の基準を衛生水準の確保が可能な範囲において緩和することにより、簡易宿所の枠組みを活用して法に基づく許可取得の促進を図るものである。

 

2 改正の内容

 令第1条第3項に規定する簡易宿所営業の施設の構造設備基準のうち、同項第1号に規定する客室の延床面積について、「33平方メートル以上であること」を、「33平方メートル(法第3条第1項の許可の申請に当たって宿泊者の数を10人未満とする場合には、3.3平方メートルに当該宿泊者の数を乗じて得た面積)以上であること」に改める。

 

第2 旅館業における衛生等管理要領の一部改正について

 旅館業における衛生等管理要領(以下「要領」という。)に関して、上記第1の改正令と同様に、民泊サービスについて、簡易宿所の枠組みを活用して法に基づく許可取得の促進を図る観点から、別紙1新旧対照表のとおり改正し、平成28年4月1日から施行する。

 

第3 運用上の留意事項等について

 

1 法第2条第4項においては、「簡易宿所営業」の施設について、「宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設」と定義されており、また、多数人とは、2人以上をいうものである旨これまでも示しているところであるが、今回の改正に伴い、この解釈を変更するものではないこと。すなわち、1施設で2人以上の宿泊が可能なものであること。

 

2 簡易宿所営業の営業許可の申請手続については旅館業法施行規則(昭和23年厚生省令第28号)第1条に規定しているところであるが、申請に当たり、申請者に対し、同条第1項第5号の規定(営業施設の構造設備の概要)に基づき、施設に同時に宿泊する者の最大の数についても記載させること。

 また、客室の延床面積を33平方メートル未満とし、かつ、宿泊者の数を10人未満とした申請に対する営業許可に当たっては、法第3条第6項の規定に基づき、客室における宿泊者1人当たりの床面積を3.3平方メートル以上とすることを営業を行う条件として附すこと。当該条件を附すことにより、当該条件を満たさなくなった場合、法第8条の「この法律に基づく処分に違反したとき」として、営業許可の取消し又は営業の停止の対象となるものであること。

 

3 都道府県(保健所を設置する市及び特別区を含む。以下「都道府県等」という。)においては、令第1条第3項第7号の規定に基づく簡易宿所営業の施設の構造設備の基準、法第4条第2項の規定に基づく衛生措置の基準等を定める条例の規定について、今回の改正の趣旨や、今回の改正により簡易宿所営業として営業することが可能となる小規模な施設の特性を踏まえ点検し、必要に応じて条例の弾力運用や改正等を行っていただくようお願いする。

 なお、改正令及び要領の一部改正の施行日を平成28年4月1日としているところであるが、これは、都道府県等における必要な条例改正等を施行日前に行うことまでを求めるものではないこと。ただし、可能な限り早期に条例改正等の必要な対応を行っていただくようお願いする。

 

4 特に、上記第2(別紙1新旧対照表)のとおり、玄関帳場等の設置について、宿泊者の数を10人未満として申請がなされた施設であって、要領のⅡの第2の3(1)及び(2)に掲げる要件を満たしているときは、玄関帳場等の設備を設けることは要しないこととするところ、改正の趣旨を踏まえ、簡易宿所営業における玄関帳場等の設置について条例で規定している都道府県等においては、実態に応じた弾力的な運用や条例の改正等の必要な対応につき、特段の御配慮をお願いする。

 なお、この場合における当該要件の具体的な内容については、「旅館業法施行規則の一部を改正する省令の施行について」(平成24年4月1日付け健発0401第1号厚生労働省健康局長通知)の第2の4及び5に示した例などを参考としつつ、使用する施設の構造や管理体制等を踏まえ判断願いたい。

 

5 法の遵守の徹底については、これまでも「旅館業法の遵守の徹底について」(平成27年11月27日付け生食衛発1127第1号厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部生活衛生課長通知。以下「平成27年11月27日付け通知」という。)等により要請しているところである。法に基づく許可取得を促進するため、今回の改正内容のみならず、今回の改正を踏まえて、自宅の一部やマンションの空き室などを活用する場合においても、反復継続して宿泊料とみなすことができる対価を得て人を宿泊させるサービスを提供する場合には、国家戦略特別区域法(平成25年法律第107号)に規定する国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業として実施される場合を除き、法に基づく許可を取得することが必要である旨、併せて周知するとともに、事業者への指導徹底を図っていただくようお願いする。

 

6 平成27年11月27日付け通知において、法に基づく許可に当たり、管理規約等を踏まえた適正な使用権原の有無等についても留意した対応を要請したところである。民泊サービスで特に懸念される近隣住民等とのトラブルを防止する観点から、法に基づく許可に当たっては、関係法令だけでなく、賃貸借契約、管理規約(共同住宅の場合)に反していないことの確認に努めていただくようお願いする。

 

7 国内におけるテロ行為等の不法行為を未然に防止するためにも、不特定多数の者が利用する旅館等における安全確保のための体制整備は非常に重要であるが、今回の改正を踏まえ、警察庁から改めて別紙2のとおり依頼があった。宿泊者名簿の必要事項の記載の徹底については、これまでも繰り返し周知の徹底、指導をお願いしてきたところであるが、今回の改正により、小規模な施設が簡易宿所営業として営業することが可能となることから、営業者に対し、「旅館等における宿泊者名簿への記載等の徹底について」(平成26年12月19日付け健衛発1219第2号厚生労働省健康局生活衛生課長通知)に示す営業者が実施すべき措置の内容につき、改めて周知及び指導等の徹底をお願いする。